収納場所は、どうやって決める? 玄関収納の実例から考える。

整理されたクローゼットの内部、衣類やバッグが収納されている。
「これは、どこにしまったらいいんだろう?」

収納を考えていると、そんな場面があります。

靴や上着は玄関に。

調理器具はキッチンに。

物の種類によって、なんとなく収納場所を決めていることも多いのではないでしょうか。

もちろん、それで使いやすければ問題ありません。

でも、実際の暮らしを見てみると、別の場所に収納した方が使いやすいこともあります。

先日、整理収納サポートに伺ったお客様のお宅でも、収納場所を見直す場面がありました。

移動したのは、テント類と上着。

同じ玄関収納から移動した物ですが、収納場所を見直した理由は、それぞれ違っていました。

今回は、この二つの実例から、収納場所を決めるときに考えたいことをご紹介します。
玄関収納にアウトドア用品がたくさん置かれている様子
今回は、こちらの事例の解説です。









① 収納したい場所に、全部入るとは限らない



今回のお客様は、アウトドアが大好きなご家族。

お引っ越しから約1週間。

玄関につながる収納スペースには、キャンプやスノーボード、ゴルフなど、たくさんのアウトドア用品が集まっていました。

ご希望は、できればアウトドア用品をすべて玄関収納にまとめること。

でも、物の量に対して収納スペースが足りず、通路にまで荷物が飛び出していました。

そこで、玄関収納の中だけで収め方を工夫するのではなく、家のほかの収納場所にも目を向けることにしました。

候補になったのは、リビングに続く和室の収納。

奥行きが約80cmあり、お引っ越ししたばかりで、まだ何を収納するか決まっていない場所でした。

「こちらにテント類を収納してみるのはどうでしょう?」

最初、お客様は少し迷われていました。

アウトドア用品は玄関にまとめたいと思っていたのですから、和室に収納することに違和感があっても不思議ではありません。

そこで、まずは実際に入れてみることに。

すると、テント類がきれいに収まりました。

「いいじゃん!」

収納した状態を見て、お客様にも納得していただけました。

収納したい物の量と、収納できる量は合っている?

収納場所を決めるとき、まず確認したいのは、

そこに収めたい物の量と、実際に収納できる量が合っているか

ということ。

一つの場所にまとめると、管理しやすくなる場合もあります。

でも、収納容量を超えてしまうなら、家のほかの場所も含めて考える必要があります。

今回、優先したかったのは、玄関収納の奥まで通れるようにすること。

そのため、テント類の収納場所を変えることが解決につながりました。

そして、もう一つ大切だと思ったのが、

実際に収納してみること。

頭の中で考えているだけでは、使いやすいかどうか判断しにくいこともあります。

まずは試してみる。

その状態を見て、使いやすそうか、無理なく続けられそうかを考える。

収納場所は、そうやって決めていくこともできます。
収納スペースに収められたテントや寝袋の画像。テント類が整理された状態で、特定の収納スペースに収められていることを示している。

② 収納場所と、実際の生活動線は合っている?

もう一つ見直したのが、上着の収納場所です。

玄関収納には、ご家族の上着も掛けられていました。

玄関に上着を収納する。

一見すると、とても自然な配置ですよね。

でも、お話を聞いていると、ランドセル置き場はリビングにあるとのこと。

そこで、気になって質問してみました。

「帰ってきたら、玄関で上着を脱ぎますか?」

すると、実際には玄関で脱いでいるわけではないことが分かりました。

それなら、上着を玄関に収納しておく必要はあるのかな?

今回は、帰宅後の動きを確認したうえで、上着をファミリークローゼットへ移動することにしました。

その物を、普段どこで使っている?

ここで確認したかったのは、

その物を、普段どこで使っているのか

ということ。

玄関に収納スペースがあるから、上着を掛ける。

それ自体は間違いではありません。

でも、帰宅後の動きと収納場所が合っていなければ、戻すために余計な移動が必要になることもあります。

たとえば、リビングで上着を脱ぐ習慣があるなら、玄関まで戻しに行くのはひと手間。

そのひと手間が、上着を置きっぱなしにする原因になるかもしれません。

収納場所を考えるときは、物の種類だけでなく、
  • 誰が使うのか
  • いつ、どこで使うのか
  • 使ったあと、どこで戻すのか

といった、普段の行動も確認したいところです。

同じ上着でも、玄関に掛ける方が使いやすいご家庭もあれば、クローゼットにまとめた方が使いやすいご家庭もあります。

大切なのは、そのご家庭の暮らしに合っているかどうかだと思います。
玄関やリビングで物の収納方法について考えているイラスト。

③ 同じ収納場所の変更でも、判断する理由は違う

今回、テント類も上着も、玄関収納から別の場所へ移動しました。

でも、その理由は同じではありません。

テント類は、収納容量の問題。

玄関収納にすべて収めようとすると、通路が確保できない。

だから、家全体の収納スペースを確認しました。

上着は、生活動線の問題。

玄関に掛けてあっても、実際の帰宅後の行動とは合っていなかった。
だから、普段の暮らし方を確認しました。
同じ「収納場所を変える」という方法でも、そこに至る考え方は違います。

収納場所を見直すとき、私が考えているのは、
「ここに何を入れたら、きれいに収まるかな?」
ということだけではありません。

「この場所に収納することが、暮らしの中で使いやすいかな?」
ということも、一緒に考えています。

収納の中がきれいに整っていても、使う人にとって不便な場所なら、元に戻すことが負担になるかもしれません。

反対に、収納方法がシンプルでも、使う場所や動きに合っていれば、自然と片づけやすくなることがあります。

だからこそ、収納場所を決める前に、普段の暮らしを知ることが大切だと思っています。
収納場所の変更理由についての説明を含むインフォグラフィック。テント類と上着の収納の容量と生活動線に関する具体的な見解が示されている。

収納場所は、家全体と暮らしの両方から考える

収納が使いにくいと感じたとき、その収納の中だけを見直しても、解決しないことがあります。

物の量に対して、収納スペースが足りないのか。
それとも、実際の生活動線と収納場所が合っていないのか。

理由が違えば、考える方法も変わります。

そして、収納場所は、一度決めたら変えられないものではありません。

実際に使ってみて、しっくりこなければ見直してみる。

そうやって少しずつ、家族の暮らしに合う収納を見つけていけたらいいですね。
アウトドア用品がたくさん収納された玄関ホールの内部
今回のお客様事例はこちら🌿
【お客様事例】アウトドア用品でいっぱいの玄関収納。収納場所を見直して通路を確保。
引っ越しから約1週間のお客様宅で、玄関収納を見直しました。
実際のBefore・After写真と、収納の変化をご紹介しています。

この記事を書いた人

福岡の整理収納アドバイザー
長野 恵理奈(ちょうの えりな)
整理収納アドバイザー1級|住宅収納スペシャリスト|看護師|保育士
福岡を中心に、ご家庭へ訪問し、
家族みんなが使いやすい収納の仕組みづくりをお手伝いしています。

わが家の場合は、どうしたらいい?

暮らし方も家族構成も、使いやすい収納も、
ご家庭によって違います。
お片づけのなづ奈では、
今の暮らしを一緒に見ながら、
ご家族にちょうどいい仕組みを考えていきます。

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