整理収納には、
いろいろな「基本」があります。
よく使うものは、取り出しやすい場所に。
重いものは、低い場所に。
使う場所の近くに収納する。
同じ種類のものは、まとめておく。
どれも、
収納を考えるときに役立つ考え方です。
私も、収納を考えるときには、
こうした基本を参考にしています。
でも、
基本通りに収納すれば、必ず使いやすくなる。
というわけではありません。
基本通りにできないこともある。
たとえば、
毎日使う重たい鍋。
「よく使うものは、取り出しやすい高さに。」
と考えるなら、
腰くらいの高さに置くと使いやすそうです。
でも、
「重いものは、安全のために低い場所に。」
という考え方もあります。
どちらも、
収納の基本としては間違っていません。
では、
どちらに合わせればいいのでしょう。
そんなときに大切なのは、
どちらが正しいかではなく、
この家では何を優先するか。
だと思っています。
基本同士が、ぶつかることもある。
収納を考えていると、
こんなことはよくあります。
使う場所の近くに置きたい。
でも、そこには入らない。
取り出しやすい高さに置きたい。
でも、もっとよく使うものを置きたい。
同じ種類だからまとめたい。
でも、使う場所はそれぞれ違う。
一つの基本だけを見れば、
「こうした方がいい」
という答えがあるように見えます。
でも、
実際の暮らしには、
いくつもの条件があります。
収納スペースの広さも、
持っている物も、
使う人も、
使い方も、
家によって違います。
だから、
すべての基本を守ろうとすると、
かえって使いにくくなることもあります。
「基本から外れている=間違い」ではない。
以前の私は、
収納の基本を知るほど、
「ちゃんとやらなきゃ。」
と思っていたような気がします。
よく使うものはここ。
使用頻度の低いものはここ。
種類ごとにまとめて。
できるだけ取り出しやすく。
でも、
暮らしの中で収納を見直していると、
基本から少し外れていても、
何の問題もなく回っていることがあります。
むしろ、
その家にとっては、
その方が使いやすいこともある。
そんなとき、
基本に合わせるためだけに
収納を変える必要はありません。
暮らしがちゃんと回っているなら、
それでいい。
収納の基本は、考えるためのヒント。
だから私は、
収納の基本を
「守るべきルール」ではなく、
収納を考えるための判断材料
だと思っています。
「よく使うものは取り出しやすい場所に。」
という基本を知っていれば、
「これは毎日使うから、もう少し取りやすい場所がいいかも。」
と考えられます。
「使う場所の近くに収納する。」
という基本を知っていれば、
「いつもここに置きっぱなしになるのは、戻す場所が遠いからかも。」
と気づくことができます。
基本があるから、
今の収納のどこに使いにくさがあるのかを考えられる。
そして、
いくつかの基本を比べながら、
今の暮らしでは、何を優先する?
と選ぶことができます。
正解を探すのではなく、選ぶために使う。
収納について調べていると、
「こうすると使いやすい。」
「これはここに収納する。」
「○○はこの方法がおすすめ。」
いろいろな情報が出てきます。
もちろん、
参考になるものはたくさんあります。
でも、
そこで紹介されている方法が、
そのまま自分の家の正解になるとは限りません。
家族の人数も、
間取りも、
持っている物も、
毎日の動きも違うからです。
だから、
「この方法が正しいのかな?」
ではなく、
「この考え方は、わが家にも合うかな?」
と考えてみる。
どこで取って、
どこで使って、
どこで戻しているのか。
その流れをたどってみると、
「収納方法」ではなく、
「置く場所」を変えた方がいいこともあります。
わが家の「ちょうどいい」を考えるために。
収納には、
たくさんの基本があります。
それは、
たくさんの家に共通して役立つから、
基本として伝えられているものです。
だから、
知っておくととても便利です。
でも、
暮らしを基本に合わせる必要はありません。
基本を、暮らしに合わせて使う。
その家で暮らす人が、
無理なく使えて、
自然と戻せて、
毎日の暮らしがちゃんと回る。
そのために、
どの考え方を取り入れるのか。
何を優先するのか。
収納の基本は、
「正解」を教えてくれるものではなく、
わが家のちょうどいいを考えるための、判断材料。
私は、そんなふうに使っています。